樹木伐採時の新たな危険性(体験談)
10月に計画決定した今年度の伐採計画では、12月中にシラカシ、ユズリハ、ビワの伐採作業を実施し、年明けには薪割り作業に入る予定でした。ところが、12月上旬の作業中に脚立から転落して骨折し、作業は中断したままとなっています。
何もできなくなったので、すっかり途方に暮れて、しばらく考えていました。年が明けて、ようやく落ち着いてきましたので、今回は注意喚起の意味もあり、その顛末を紹介し、どこに危険性があるのか、今後はどうしたらこのような事故を防げるのかについて、考えたことを書こうと思います。
作業手順
3つの木の中で一番厄介なシラカシから取り掛かりました。
シラカシは重量があり、倒れる時に周囲の建物や樹木を破壊する可能性がありますので、倒す方向を決めます。そしてその方向に誘導するために、木の上部に伸縮性のあるホースを結びつけ、倒したい方向にピンと張ってから伐採するようにしました。
結び目の状態です。
予想外の事態
ところが、風向きと元々の木の傾きのため、手前に引っ張っているにもかかわらず、左側に倒れ、他の木に寄りかかった状態で止まってしまいました。
とりあえず脚立に登って他の木に引っかかった枝を切ることにしました。枝はそのまま下に落下すると思っていました。
ところがです。切っている枝が自分の体に向かって倒れかかってきたかと思ったら、そのまま折れて、体の上に覆いかぶさってきました。シラカシの枝はとても重く、一瞬にして脚立ごと右後ろの方向に転倒しました。その時は右手にノコギリを持っていたので、ほとんど動けず右脇腹を地面に強打しました。
たいそうな痛みで、肋骨6本骨折でした。
伐採作業時の危険性
「脚立から転落して骨折する老人」のニュースはけっこうな頻度で聞かれます。多くの場合は足を踏み外したり、脚立の天板の上に立ち上がってよろけたりしたといった場合が多いようです。自分も脚立から転落したのですが、これらの要因ではなく、別の対処方法が必要であると考えられます。
伐採時には、「倒れてきた木の下敷きになる」事故が多いので、そのことばかり気にかけていました。
他の木に寄りかかってしまったら、脚立に乗らず、地面に近い下の方から切っていくほうが、逃げやすいし転落事故にならないので少しは安全だと感じました。
考えられる対処方法
- あらかじめ横枝を切っておいて他の樹木に引っかからないようにする。
- 倒れたがっている方向と、倒したい方向とが異なるとわかった時点で倒す方向を変更する。
- 幹の上の方で細かく切っておく。
- 対象樹木が大きくなる前に伐採する。
- 伐採は業者に任せる。
この中では、4の大きくなる前に伐採するのが最も現実的で、大きくなってしまったら枝打ちを丁寧にする必要があると思います。
余談
本来なら、今年度はユズリハとビワも伐採する予定でしたが、できなくなりました。ユズリハは来年度に延期、ビワは周囲の日照を確保できる程度の枝打ちで対処します。